東京都と公益財団法人東京都中小企業振興公社は、都内の中小企業者向けにさまざまな助成金を用意しています。
区の制度とくらべて金額が大きく、業種の制約も緩やかです。そして都内であれば、どの区市町村の事業者でも使えます。北区で該当する制度がなかった方も、こちらであれば選択肢があります。
まず、時期にご注意ください
東京都の助成金は「準備に数か月かかるもの」が複数あります。募集開始を知ってから動いたのでは間に合いません。
| 創業助成事業 | 申請要件のひとつを満たすのに概ね3か月以上かかります |
| DX推進助成金 | 申請に必要な「アドバイザーによる提案書」の作成に最低3か月程度かかります |
いずれも、募集要項が出てから準備を始めたのでは間に合わない設計になっています。使う可能性があるなら、前もって動いておく必要があります。
主な制度
| 創業助成事業 東京都・東京都中小企業振興公社 |
都内で創業を計画している個人、または創業後5年未満の中小企業者等 賃借料、広告費、従業員人件費、市場調査・分析費など、創業初期に必要な経費 |
上限 400万円 下限100万円/助成率2/3以内 |
| 創意工夫チャレンジ促進補助金 業務改善コース |
既存事業を「深化」または「発展」させる取組 ※ 直近決算期の営業利益の減少、または損失の計上が申請要件 |
上限 600万円 助成率2/3 |
| 中小企業デジタル導入促進補助事業 | デジタルツールの導入 クラウド型会計ソフト、業務自動化ツールなど。初期設定・カスタマイズ・運用保守も対象 |
最大 150万円 下限5万円/助成率1/2(小規模企業者等は2/3) |
| DX推進助成金 | デジタル技術を用いた企業変革・生産性向上 ※ 公社の「DX推進支援事業」でアドバイザーの提案書を受けることが前提 |
上限 3,000万円 下限30万円/助成率1/2〜4/5 |
| TOKYO戦略的イノベーション促進事業 | 「イノベーションマップ」に基づく革新的な技術・製品開発 自社のコア技術を基盤に、社外の知見を活用するもの |
上限 8,000万円 下限1,500万円/助成率2/3以内/最長3年 |
このほかにも数多くの制度があります。全体は東京都中小企業振興公社の助成金一覧でご確認ください。
制度ごとの注意点
創業助成事業 ── 創業前でも申請できます
「都内で創業を具体的に計画している個人」も対象です。まだ会社を作っていなくても構いません。創業後5年未満であれば、すでに事業を始めている方も対象になります。
賃借料や従業員の人件費まで対象になるのが特徴で、創業期の資金繰りに直接効きます。
ただし、申請要件を満たすのに概ね3か月以上かかります。公社の支援事業を受けているなど、一定の実績が求められるためです。募集は年に複数回ありますので、次回に向けて今から準備するという考え方になります。
区の制度は「区内で1年以上事業を営んでいること」を要件とするものが多く、創業直後は使えません。その意味で、この制度は北区などの区の制度を補う位置づけになります。
DX推進助成金 ── 助成金より先に、支援事業への参加が必要です
上限3,000万円と規模の大きな制度ですが、いきなり申請することはできません。
公社の「DX推進支援事業」でアドバイザーの支援を受け、アドバイザーが作成した提案書の内容に基づいた申請である必要があります。提案書の作成には最低3か月程度かかります。
「補助金を取ってからDXを考える」ではなく、「DXを進める過程で助成金が使える」という順序の制度です。
中小企業デジタル導入促進補助事業 ── 勧誘にご注意ください
公社自身が、次のような注意喚起を出しています。
「自己負担なしでデジタルツール導入の助成金を受給できる」、「購入金額の一部をキャッシュバックするので実質自己負担はありません」等といった電話勧誘・セールス等にご注意ください。
東京都中小企業振興公社
この助成金の助成率は2分の1以内(小規模企業者等は3分の2以内)であり、自己負担が必ず発生します。「実質無料」はあり得ません。
また公社は、特定の製品・サービスを助成対象として認定してはいないとも明記しています。「当社の製品は助成対象です」と謳う業者にはご注意ください。キャッシュバック等の名目で助成額を偽ることは虚偽申請にあたり、交付決定の取消しと返還、場合によっては刑事罰の対象になります。
補助金を使う側が、知らないうちに不正に巻き込まれることがあります。おかしいと感じたら、契約の前にご相談ください。
TOKYO戦略的イノベーション促進事業 ── 下限1,500万円
上限8,000万円、最長3年という大規模な制度です。ただし下限が1,500万円に設定されており、相応の規模の研究開発が前提になります。
また、東京都が示す「イノベーションマップ」の開発支援テーマに沿った内容である必要があります。自社がやりたいことと、都が示すテーマが合致するかが最初の関門です。
区・国の制度との使い分け
同じ取組について、国・都・区から重ねて助成を受けることはできません。ただし、取組が別であれば、それぞれ申請すること自体は可能です。
| 区の制度 | 10万〜300万円。手続が軽く競争率も低いが、業種と時期の制約が大きい 北区/足立区/豊島区 |
| 都の制度 | 150万〜8,000万円。都内であれば区を問わない。準備に数か月かかるものがある |
| 国の制度 | 50万〜2,500万円。持続化補助金やものづくり系。全国が競争相手 |
創業期であれば都の創業助成事業、既存事業の立て直しなら創意工夫チャレンジ、販路開拓なら国の持続化補助金。目的によって、見るべき先が変わります。
どれが使えるか、無料でお調べします
「自社に使えるものがあるのか分からない」という段階からご相談ください。お問い合わせフォームに次の4点をご記入いただければ、区・都・国のなかから候補を絞ってお返しします。
- 事業所の所在地(市区町村まで)
- 業種と主な事業内容
- 従業員数
- やりたいこと(設備投資、販路開拓、店舗の改装、創業 など)
診断は無料です。原則2営業日以内にメールでご返信します。使えそうな制度が見当たらない場合も、その旨を正直にお伝えします。
準備に数か月かかる制度があるため、「まだ具体的ではない」という段階のご相談こそ意味があります。募集が始まってからでは間に合わないことが少なくありません。